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アルノダン フランスアンティークジュエリー&オブジェ ギャラリー

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n.24 香りのジュエリー  こぼれ話 

このページの前まで 香水とジュエリー についてご紹介をして来ましたが、

ここで、香りにまつわるちょっとしたこぼれ話をご紹介します。


フランスの " グラース " と言いますと、

香水好きにとって、香料の産地で有名なところですが、

昔はフランスの南にあるプロヴァンス地方の小さな街で、

今のように薔薇やラベンダーの香りがするところではありませんでした。
 



( 絹リボンと刺繍で飾ったスェード手袋 1600−1680年 フランス )



そのかわり、数世紀の間、

ヨーロッパで最もクオリティの高い皮革をつくった街で有名でした。

各国宮廷の王侯貴族達にとっては、革の手袋といえばグラース産でした。

柔らかいなめし革を美しい色に染めた手袋は、

レースや刺繍、パスマントリー(組紐)で飾られ、各国宮廷へ送られました。

 


( パスマントリー飾りの手袋をはめたマーガレットの肖像 ドイツ リューベック 1641年 )


 しなやかなグラースの革手袋は、宮廷で不動の地位を築きました。

しかし、なめし革の匂いが手に残ると貴婦人達からの声が届きます。

そこで、グラースでは香り付きの革手袋を発明、

16世紀のことでした。
 
おかげで芳香の手袋は大流行、

手袋は、薔薇、菫、オレンジの花の匂いがしていたそうです。
 
 


( 香水創作のための植物図鑑 )



それと同時に、香りの原料となる香料の栽培もさかんになっていきます。

お隣の街、ニースでも革を扱うようになった為、

18世紀末をさかいに、グラースの仕事は、革産業から香水産業へ移っていきました。
 
 


( ロレーヌのアンリ2世 フランス 1631年 / マリア・クリスチーナ女王 スペイン 1830年 )



南仏ならではの温暖な気候で栽培される香料は、

ラベンダー、薔薇、ジャスミン、ミモザ、オレンジの花などが主流です。

人の手で花を摘み、香りを抽出します。

20世紀になりますと、世界的な生産に追いつかないことや、

合成香料の発展がありましたが、

昔日の革なめしと同じように、質の高い香料を作り続けることにより、

世界的な香りの街として今も残っています。
 
 


( ナポレオン帝政時代、鹿革のロング手袋をはめた貴婦人 1796年 パリ ルーブル美術館)



前世紀の王侯貴族にとっては、

革手袋はジュエリーと同じように、大切な装いの仕上げの一つでした。


いにしえの肖像画にも、当時のお洒落が感じられますし、

正式な晩餐会や儀式には必ず手袋をしますが、これは現代の王室や宮廷に今でも残る習慣の一つです。


今はもう、グラースの香り付き手袋は無くなってしまいましたが、

グラースには、宝石ともいえる香りが残りました。


こぼれ話は続きます→
 

Texte par M.

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